このところは繁忙期らしくバタバタとした毎日が続いています。
忙しいってのはそれだけ仕事が沢山貰えてるって事なので、ありがたい話ですよね。
私は整備職時代に取った中型免許があり、社内のレンタル車両全てを運転する事ができるので、廻送チームが出払った後なんかに入った運転仕事がまわってくる事がたまーにあるのですが
最近は毎日のように何かしらの仕事でトラックに乗っているような気がします。
普段の仕事とは全く違う事をするので、これはこれで新鮮で良いな~って感じですね。
ただ、何事にも限度があると言いますか
あんまりスゴイ所に行くのは、ちょっと恐いな~とも思っちゃいますよね。
八丁林道の奥深くとか……
先日、ありがたいことに廻送のお仕事がミチミチに詰まっていて
これ以上は注文入っても難しいなってタイミングで、お客様から電話が入ったんですよ
注文内容は、山北の八丁林道、舗装ローラーの納入でした。
小さい廻送車も、その運転手さんも遠くに出たばっかりで
しばらく帰ってこなさそうな感じでしたし、そもそも戻ってくるのを待っていたらもう夜です。
こりゃ無理かな、とも思ったんですけど
構内に、3tのセーフティローダーダンプがあったんですよね。
中型免許で運転可能、荷台がスライドして接地するのでローラーの積み降ろしもバッチリです。
お客様には「慣れてないので遅くなるかもしれませんが、今から向かいます!」とお返事をして、現場へ向かいました。
地図を見ると結構近そうに見えますが、ヘアピンカーブが連続するスンゴイ山道をガンガン上って下ってまた上ったところにあるので、見た目以上に時間がかかりましたね。
現場へ至る林道の入り口は、大野山の山頂付近を跨いだ先にありました。
標高600m越えの山道を走り、関係者以外立ち入り禁止のバリケードで塞がれた道へ進入します。
未舗装の道は大きく抉られてボコボコ、更にカーブや上り下りも多く、最大積載量手前の荷物を背負っての走行、道のりは困難を極めました。
「ギャーーッ!」とか「ギーーーー!」とか、車両が傾くたびに奇声を上げていた気がします。
道を間違えてないか怖くなって、担当営業に電話をかけてみたら、圏外でした。
もしここでスタックしても助けて貰える可能性は極めて低いな、と思いましたね。
まだ走るの……?ってくらい進んだところで、冒頭に載せた写真、八丁林道のゲートにぶち当たりました。
ゲートを開けて中に入る為に降車すると、車両のアイドリングストップ機能によってエンジンが切られました。
人里から遠く離れ人工の音が一切しないばかりか、風の音すら無く
辺りは静寂に包まれていました。
山の空気って、“気持ち良い”とか“清々しい”と喩えられる事が多いと思いますが、
この時はむしろ“居心地悪い”と感じていました。
なんて言ったらいいんでしょうかね、この場で一番の異物は私であって
ここにいるべきじゃないんだろうなぁって感じがしました。
持参した林道の鍵で解錠、車を通過させてまた施錠。
部外者の侵入を阻む為ですね。
まぁ、ここまで一切人と遭遇してないんですけど。
ゲートを越えて更に走ったところで、現場へ到着。
「人だ!人がいる!」って、三日三晩砂漠を彷徨ったひとみたいなセリフが漏れました。
現場はバリバリにお仕事中だったので、邪魔にならなそうなところに停めて、現場監督さんに機械を引き渡しました。
月並みな言葉ですが、お礼を言って頂いた時、凄く嬉しかったですね。
ここまで来て良かったな、と。
帰りは空荷だったので、スイスイと帰れました。
辺りはすっかり暗くなっていたので、道を踏み外さないよう注意して走る必要がありましたが、行きの過酷さに比べたら大したこと無いですね。
いい景色だな~って呑気に写真を撮っていますが、
つい10分前まで半泣きになりながら運転していました。
大野山の山頂まで帰ってきました。
夜景が綺麗ですね。
ここまで来たら、後はもうスイスイっと下山するだけです。
運転している最中は戦々恐々としていましたが、それはそれとしていい経験になったな、と思っています。
普段フロントとして仕事をしているだけだと、こういうところに来る機会って殆ど無いので
いつか行ってみたいな~とは思っていたんですよね。
まさかこんな形で叶うとは思っていませんでしたが。
次があるのならユーシン渓谷とか行ってみたいですね。
できればもう少しライトな案件でお願いしたいところですが……。